「3つの密」の1つである「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法が厚生労働省によってまとめられています。(令和2年3月9日及び3月19日公表)
その中で、『ビル管理法の考え方に基づく必要換気量(一人あたり毎時30㎥)を満たすことができれば、「換気が悪い空間」には当てはまらないと考えられる。』とされています。この数値を一つの基準として機械換気、窓の開放による換気がそれぞれまとめられており、ここでは窓の開放による換気について触れておきます。
1.換気回数を毎時2回以上(30分に一回以上、数分間程度、窓を全開にする。)とすること。
2.空気の流れを作るため、複数の窓がある場合、二方向の壁の窓を開放すること。窓が一つしかない場合は、ドアを開ける事。
このように基準が定められています。
ちなみに換気回数とは、1時間で部屋の空気がすべて外気と入れ替わる回数のことをいいます。
以上の内容により、機械換気の設備がない、または機械換気でも換気量が足りない場合は、上記厚生労働省の基準に準拠した窓の開放による換気を行うことを推奨します。
更にアメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、新型コロナの感染経路に関する見解を以下のとおり発表しています。(2021年5月7日付で改訂)
1.換気または空気処理が不十分な閉鎖空間では、鼻、口から出た微粒子、特に非常に微細な飛沫やエアロゾル粒子の濃度が空気中に蓄積する可能性がある。
2.感染者が身体運動をしている場合、または声を上げている場合(例、運動、叫び、歌)、呼気が増加する。
3.これらの条件への長時間の曝露。通常15分以上滞在すると感染リスクが高まる。
CDCは、物理的距離を保ち、マスクの着用、適切な換気の重要性、混雑した屋内空間に滞在しないことを注意喚起しており、更に、空気中のウイルス濃度を減らすための「常時換気」を推奨しています。